歯周病になるとどんな病気になりやすいの? 後編
半年に一度の放射線漏洩検査を行いました。もちろん0.0mSVでした。ちなみに外に出て使ってみたら、0.3~0.7mSVほどあるので、院内の方が安全ですね。そしてまた襟足が気になる。。。来週髪切ってきます。
さて後半戦残りのリスクについてお話ししていきたいと思います。
⑤誤嚥性肺炎 これは以前にもお話したことがあると思いますが、歯周病菌などのお口の中の細菌が唾液や食べ物と一緒に入ってくると肺炎発症のリスクが高くなります。また高齢者の死因で誤嚥性肺炎が第六位になります(以前は肺炎と誤嚥性肺炎が一緒にされており、その時はぶっちぎりの一位でした)。この誤嚥性肺炎は、お口の中を清潔にすることで発症のリスクを大幅に下げることができます。そのためには口腔ケアがとても大切になってきます。またお口の中を歯ブラシで刺激することだけでも、誤嚥の予防にもつながることがわかってきました。
⑥心臓病 歯周病が引き起こす動脈硬化により、心臓に血液を送る血管が狭くなったり(狭心症)、詰まったりします(心筋梗塞)。また心臓の内膜に歯周病菌がくっついてしまうと、心内膜炎を引き起こし命にかかわる場合もあります。歯磨きと動脈硬化の関連を調べた論文によると、歯磨きを中止すると動脈硬化の血液マーカーが上昇し、歯磨きを再開するとマーカーが正常値に戻ったという実験結果が得られました。今後は心臓疾患のある方に歯磨きを止める実験は倫理的に通らなくなりそうですね。
⑦肥満 歯周病が進んでいる人はメタボリックシンドロームの発症が1.6倍高まるという報告がされています
⑧関節リウマチ 手足の関節が腫れて、痛みやこわばりが起こる病気です。多くの研究により、歯周病の人は関節リウマチのリスクが高いことが分かっています。
⑨低体重児出産、早産 歯周病によって産出された炎症性物質が血液内に入ると、低体重児出産が起こりやすくなります。また、血液に子宮の収縮を早める物質が生まれるため、早産も起こりやすくなります。
以上現在判明している、歯周病になるとなりやすい病気一覧でした。それぞれかなり簡単に書いてありますので、時間があるときにまたひとつづつ深堀して話せたらと思います。そして現在判明しているだけでこれだけあるということは他にも関係のある疾患が続々と判明すると思います。歯周病になって体にとっていいことは何一つありません。歯周病は必ず治る病気です。自覚のある方もない方も一度チェックさせて頂けたらと思います。それではまた。
歯科医師 河合鮎樹