コロナの現状とこれから
さて今回はコロナの現状とこれからと題しまして久しぶりのコロナのお話をさせて頂きたいと思います。
以前お話しした集団免疫が功を奏しているのか、単純にワクチンの接種率が増えているのかはわかりませんが、名古屋では16か月ぶりに新規感染者数が0人になる日が出てきました。これは本当に本当に待ち望んでいたことといいますか、皆さんの日頃のがんばりが身を結んだ一つの素晴らしい結果だと思います。本当にお疲れ様です。
またさまざまな治療法も出てきており、最近だと新しい抗体療法も出てきてるようです。その名もゼビュティというもので、2003年頃世界で猛威を振るったSARSの回復者の抗体から作られたものらしいです。さすがに専門的な薬になるので作用機序などはうまく説明できませんが、今のところ新型コロナにも効果があるようで、ゼビュティの使用の有無で入院や死亡する人の割合が7%から1%に減ったという報告もあります。なんと約85%ダウンですね。ですので、感染したとしても重症化する前に使うことができればグッと生存率が上がりそうです。
しかし、接種率が増えてはいますが、一つだけ心配なことが。それは接種をしたいけどできていない人たちのお話です。簡単に言うと11歳以下の子供たちですね。例えばイギリスでは11歳以下の感染者が徐々に増えてきています(大人と比べて相対的に増えているわけではなく件数です)。ウイルスも打っている人ばかりになってきたら、打っていない人のところに行こうとするもんです。つまり何が言いたいかというと、今後は新型コロナはワクチンを打つことができない子供の病気になる可能性があるということです。
そして、子どもが感染した場合、もちろん子供はうちに帰ります。そして家族と出会い感染するんですね。家族単位で見た場合、二次感染がおこる確率は45%で、陽性の子供が出ると二人に一人のご家族は感染する可能性があるということです。
そしてもう一つこわいのが子供たちの心の問題です。18歳の子供を対象にコロナによって精神的なストレスがどの程度あったかという論文によると、
鬱状態 29%
不安 26%
睡眠障害 44%
PTSD 48%
という結果が出たそうです。その中でも12歳以上の女の子に特に症状がみられたそうです。もちろん報告の一つでしかないのですが、どうしても感染する、しないだけにめを向けがちですが、こういった心の問題もこれからは見ていかないといけないですね。
冒頭で話しました、コロナの感染者数が大きく減っては来ていますが、ワクチン接種率が6割を超えているドイツで感染者の急増という報告もあります。「ワクチン打ったから大丈夫」ではなく、これからもいままでと変わらない対策をよろしくお願いします。それではまた。
歯科医師 河合鮎樹