アマビエさん

アマビエさん

また一か月も空いてしまいすみません。僕は元気です。

さて今回はコロナで一躍時の人?となったアマビエさんについてお話ししたいと思います。なんかご利益的な悪霊退散的なやつでしょ?くらいにしか知らなかったのですが、調べてみるといろいろと面白いことがありましたので。それでは行ってみましょう。

昔から疫病というものは存在していて、大量に人が亡くなっていたそう。そんなときに「疫病除け」を祈願するために、伝統的な社会で用いられてきたのが「呪具」というものであった。これは漢字通りの呪うための物ではなく、今でいう護符、石仏などの意味の物だったそう。

話は変わって今度は妖怪のお話し(今は鬼太郎よりもきめつの方が親しみがあるのかな?)。妖怪の中には近い将来に起こる出来事を予言しその予言を人々に伝えるといういいもんの妖怪がいた。それを総称して「予言獣」などと呼ばれることがある。昔の資料によると、疫病が流行して多くの人が死んでしまうという予言とともに災厄を免れる手段として予言獣の呪具を家に貼り、その話を広めていったと言われている。

その予言獣の一匹?に「白澤」というものがいる。はくたくは病魔退散の方法を中国医学の祖、黄帝に伝授したとされていて、姿は牛のような体、人の顔に羊の顎髭、目は9つ、角が六本という姿だそう(めっちゃ怖いね)。そんなはくたくの絵が中国の修行僧の間で広まり、日本には1858年のコレラ大流行の時に呪具を枕元に飾ったり、身に着けたりして疫病退散を祈願したそう。

そして今回の主役、アマビエさんは江戸時代の後期、越後の国(現在の熊本県)の海の中から現れたとされている。当時の瓦版に「今より六年は豊作である。しかし疫病が流行するので早々に私を移し人々に見せるように。と告げて海に帰った」と記されている。その姿は、鳥のようなくちばし、足まで伸びた長い髪、体はうろこ状で、先が割れた足が三本足で波の上に立つのだとか(アマビエさん海の上に立つんですね)。

そんなアマビエさん。コロナ前では妖怪の専門家くらいしか知らなかったのですが、2020年の二月末。ある妖怪掛け軸専門店がTwitterのアカウントで「流行り病がでたら、対策のために、私の姿を書いて人々に見せるように」とつぶやいたところ、アマビエチャレンジなるものが流行り、様々なアマビエさんのイラストが投稿された。そして現在のように広まったとされている。

また似たような予言獣に「アマビコ」と呼ばれるものもいる。このアマビコさんも予言してくれるのだが、見た目が全身に毛が生え、胸の周りから三本の足が生えているそう。呼び方も似ていることから、どちらかが誤表記として広まったのでは?という説もある。

いかがだったでしょうか?なんとなーく流行ってるなくらいにしか知らなかったので、僕は「へー」の連続でした。特にアマビコさんというのもいるんだということにびっくりしましたが、毛むくじゃらよりも鱗の方がまだかわいかったからアマビエさんの方を選んだのでは?などと邪推してしまいますね。うちにも一匹?アマビエさんがいますので是非探してみてください。それではまた。

                      歯科医師 河合鮎樹
 

一覧に戻る