こんな時に来てごめんなさいね

こんな時に来てごめんなさいね

ニューヨークの知事が感染率の発表をしましたね。約27000人を対象にPCR検査を行い、一般の方が20%に対して、医療従事者が12%だったそうです。いかに感染対策を行っているかが大切な発表ですね。今後も「歯医者に行ったらコロナになる」という迷信なんかではなく、エビデンスに基づいた発信をしていきます。

さて、今回はタイトルにある「こんな時に来てごめんなさいね」についてお話ししたいと思います。

これは緊急事態宣言が出てから、患者様からよくいわれるようになった言葉です。体感ですがだいたい3~4人に1人は言われます。

この言葉を少し因数分解したいと思います。分けてみると、「こんな時に」「来て」「ごめんなさいね」になります。

まず、「こんな時に」はもちろんコロナで緊急事態宣言が出ているのにです。

次に「来て」は来院してという意味ですが、歯医者に来るにはいろいろな理由があって、歯が痛くなったり、歯茎が腫れちゃったり、きれいにしてほしかったり、悪くなってないかみてほしかったりなどなどです。

最後に「ごめんなさいね」は相手に謝罪するときの言葉です。自分が相手に対して何か悪い事をしてしまったときに申し訳ないと思い、謝るときに使う言葉です。

つまり、患者様は僕に対して、「コロナで大変な時に、私の歯が痛くなって、歯医者に行かなければいけなくなった。先生もコロナに感染するかもしれないのに。。。。」と思って、

「こんなときにきてごめんなさいね」

とおっしゃるのだと思います。

話は変わって、緊急事態宣言に関してです。いろいろな企業に休業要請が出ていますが、歯科に対しては休業要請は出ていません。また不要不急か否かですが、

歯が痛いことは急ぎではありませんか?歯医者は不要ですか?

私たちは、虫歯、歯周病のプロです。この疾患をほっておいたらどうなるのか、大学で嫌というほど学んできました。歯が痛い、歯茎が腫れたを治すことはもちろん、「虫歯、歯周病になってないか」を検査することは決して不要不急なんかではありません。

他にも「新聞で見ました。歯医者さんって大変なんでしょ?頑張ってください」というお言葉も頂きました。「こんなときに来てごめんなさいね」も含めてですが、すべて僕たち医療従事者を心配してくださるとても温かい言葉だと思います。心より感謝申し上げます。

しかしながら、歯医者が患者様を診療するのは当たり前の行為です。「こんなときに行って大丈夫かしら?」と思われている方、また周りにそうおっしゃられている方がみえましたら、

「大丈夫だよ」

とお伝えください。僕たちは元気です。それではまた。

                      歯科医師 河合鮎樹

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