コロナに対する心構え

コロナに対する心構え

さて今回はコロナに対する心構えと題しましてコロナ関連のお話です。今回長いですが、とっても大切なことなので付き合って頂けたらなと思います。結論から言えば「人にやさしくしましょう」です。

といっても今回は具体的なためにな~る話ではなくてコロナの「考え方」についてになります。ちょっと前までは、東京で何百人感染みたいな報道が連日行われていて、「東京大変だなぁ」といういわゆる「他人事」のように感じている部分もありました。しかし、全国で一日の感染者が1000人を超え、愛知県でも100人を超える感染者が出てきて、いよいよ他人事ではなくなってきました。この人数が続くと、ご家族や、ご友人、職場の人などがコロナになっても全く不思議ではありません。

連日、有名人のコロナ陽性のニュースが報道され続けています。みなさん、このコロナ陽性のニュース、興味ありますか?僕はアメリカの明日の天気よりも興味がありません。もちろん、応援している有名人が感染したとなれば、「私の応援している○○君がコロナに感染しちゃった!!どうしよう!!」という意味では効果があるのかもしれませんが、そもそも熱狂的なファンは報道をしなくても今の時代SNSで逐一情報を得ていると思うのでそんなにも必要がないと思います(SNSが報道か否かはおいておいて)

そして考えていただきたいのがこのコロナ陽性報道は有名人の本人にとって、プラスでしょうか?マイナスでしょうか?もっと具体的にいうと「コロナになるまで一生懸命仕事したんだ。〇〇さんって素晴らしいね!」と思うのか「え?〇〇さんコロナになったの?どうせまたキャバクラとかホストとかに行って感染したんでしょ?」と思うのかどちらでしょうということです(明らかな誘導尋問)。ほとんどの人が絶対マイナスではないにせよ、プラスに感じることはないと思います。つまりコロナに感染するというニュースはネガティブなイメージをもたれる可能性が高いということになります(ネガティブなニュースのほうが人に見られやすいので稼げる)。

さてこれを周りの人に当てはめてみましょう。友人や職場の人がコロナになった場合、テレビで完全な模擬訓練を受けているあなたはきっとネガティブなイメージを持たれるのではないでしょうか?「なんか錦で飲んでたらしいよ」「なんか東京に遊びにいってたらしいよ」などなど。。。。

次にこれを親や兄弟、恋人に当てはめてみましょう。イメージしてみてください。もちろん「大丈夫??」という心配が第一に来るとは思いますが、次に気になるのは

 

「周りの人にどう思われてしまうんだろう??」

だと思います。きっと完璧な模擬訓練を受けているあなたは、「周りの人にばれたら絶対に迫害されるに違いない」と思ってしまうでしょう。それでも、相手の体が心配なあなたは病院に連れて行って、相手の無事を祈るのでしょう。でもイメージしてみてください。先ほどの強迫観念が強くなりすぎてしまった方がいたのなら、病院になんか行かず、

「家に誰にもばれずにずっといよう」

と思ってしまう人もいるのではないのでしょうか?そしてきっとこう思うでしょう。「テレビで若者は感染しても死なないって言ってたし、わしもまだまだ若い。きっと大丈夫だろう」と。

さて話が脱線してしまいましたが、今一度皆さんに考えていただきたいのです。

 

コロナに感染してしまったことは果たして悪でしょうか?

もちろん、コロナに感染した人に近づきたくないという自己防衛本能は当然ありますし、これは危機管理として持っていただきたく思います。しかしながら、直接出会うことのない人が「うわさ」で感染したという話を聞いた時、あまり責めないでほしいのです。コロナになりたくてなる人なんかいません。きっとなってしまった本人はめちゃくちゃおびえていると思います。そしてくれぐれも病院に行ってください。あなたの命を守れるのはあなただけです。

なかなか作られてしまった石をおろすのは大変です。特に直接会わない分、うわさがうわさを呼び、尾ひれがついて、どこが本当の部分なのかわからなくなると思います。そういう話を聞くと、条件反射で石を投げてしまいそうになるのは当然だと思います。しかし、そんな不安を抱えている人に石を投げるのではなく、直接ではないにせよ、「大丈夫?大変でしたね。」とこえをかけてほしいと思います。そういった何気ない一言がその人を救うのだと思います。

ちょっと長くなってますが、これは切らないほうがいいのでもう少しだけ続けさせてください。先ほど少し触れましたが、「若者を中心に感染が広がっている」という言葉が連日報道されています。具体的に言うと、10台以下が1000人未満、20代が6000人台、30代が4000人台、40代50代が3000人台、60代70代80代以上が2000人台です(7月22日の数字です)。確かにこの数字をみて「若者を中心に感染が広がっている」と表現してしまっても仕方がないと思います。

さて「若者を中心に感染が広がっている」という言葉を、テレビや新聞などで報道するとどうなるでしょう?きっと若者ではない人は「若者のせいでコロナが広がっている!!けしからん!!どうせ若者は遊んでばかりいるのだろう。私たちはこんなに自粛して家にいるのに、あいつらがなんとかキャンペーンみたいなのに乗っかって外で遊んでいるせいで私たち若者でない人が被害を被っている。コロナになったのはすべて若者のせいだ!!!!」と思われるでしょう(ただの被害妄想です)

どこからが若者でどこからが若者ではないかはなかなか難しいので年齢階級別労働力率で分けたいと思うのですが、労働力率が90%以上の年代が25歳から59歳なのでここでは50代までを若者としてとらえます(決して60歳以上の方を老人と言っているわけではありません)。そこで先ほどの数字に戻ると、感染者総数が20代が6000人台で50代でも3000人台あります。とても多いですね。しかし60代以上でも2000人台です。これは少ないですか??これが50人や100人なら叩いてもいいと思います。それはきっと若者のせいでコロナになっているでしょう。しかし、3000人と2000人では少なくはないですが、絶対的な違いではないと思います。

さて勘のいい方ならお気づきだと思いますが、「いやいや人数じゃなくて比率で考えろよ。そもそも労働力率で若者か否かを分けるのはなんでだよ。」と思われてたと思います。全く持ってその通りです。僕が伝えたかったのは若者を労働力として考えているか?ということです。確かに「若者を中心に感染が広がっている」というのは言葉としては間違っていません。しかしすべての若者が「ナイトプールでうぇーい」をしているから感染が広がっているわけではありません。皆さんの生活を支えるため、若い人たちは働いています。働いている以上、人との接触はどれだけ気を付けていても避けられないものです。

皆さんに本当に伝えなければいけないのはどの有名人がなったとか、どの年代がなったのかではなく、「感染経路」です。どこから感染したのかを知ることで対策をとることができます(ちなみに今のところ歯科医院を通じての感染は確認されていません。歯医者を叩いていたコメンテーター、記者の方はどこへ行ったのでしょうか?)

人の悪口を言えば必ず自分に返ってきます。そして悪口だと思っていなくても人を傷つけることはあります。コロナ疲れもあるでしょう。今まででも充分気を付けているのにこれ以上何をすればいいの!?とも思うでしょう。自分は気を付けているのに、何も気にしていない若者を見るとイラっともするでしょう。でも思っておくことにしましょう。言葉にすると相手を傷つけ、それはきっと連鎖し、自分に返ってきます。自分のために悪口を言うのはやめましょう。つらいかもしれませんが、つらいのはあなただけではありません。空けない夜はありません。ひどい人ばかりではありません。今は小さな幸せでなんとか我慢して、いつか落ち着いたら、めいっぱい遊びましょう。

まとめます。人にやさしくしましょう。以上です。それではまた。

                      歯科医師 河合鮎樹

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